脳科学に基づく効果的な学び方

生き方

 いやぁ、とてもいい話を聞いた。今日は2か月ほど前から楽しみにしていた講演会の日。教育に関わる人のために東京より来ていただいたのは、東京大学薬学部教授をされている池谷(いけがや)裕二さんだ。毎日脳の研究や実験をされている方だ。この池谷さんから、科学的根拠に基づく説得力ある学び方について聞いてきた。90分間ほどの講演だったので全部は無理だが、いくつか紹介しよう。

 人間の脳からいろいろな”波”が出ているのを聞いたことがある人もいるだろう。その中に「シータ波」という波がある。シータ波は歩く、乗り物に乗るなど「移動」をする時に出るもの。このシータ波が出ている時に学習をするのが効果的だそうだ。昔はどの学校にもあった二宮金次郎像。歩きながら本を読むということは、実は理にかなった行動だったということだ。

 次に、寝る時間というには、「起きている時の復習をする時間」なのだそう(まぁ聞いたことあるよね)。だから、その日に学んだことを復習するためにも睡眠時間をしっかりとることがめちゃくちゃ大事なんだと言われていた。寝つきが悪くてついついスマホやタブレットを触ってしまうという人もいるだろう。しかし、それは絶対にやってはいけないことで、寝れなくても真っ暗で音がない状態のままいることが脳を休め、かつその日1日にあったことを頭の中でしっかり整理整頓することができるそうだ。しかも“睡眠している時と同じレベル”で!

 「一夜漬け」という言葉が分かるだろうか。中学生になるとテスト範囲も小学生とは比べ物にならないくらい広くなる(そもそもテストが少ないんだから当たり前っちゃ当たり前)。ふだん勉強していない子が、前日に一気にほぼ徹夜くらいの勢いで勉強することをこの一夜漬けという。この学び方はよくないらしい。一気に覚えたものは、一気に忘れてしまうようだ。だから、毎日コツコツするのがいい。毎日ちゃんと学習して、毎日の睡眠の中で復習して脳を整理する。毎日コツコツするためには、ルーティン化(決まったことを繰り返して習慣化すること)するとよい。自分の1日の過ごし方に規則的に活動を組み込むのだ。池谷さんはルーティン化のよさについても言及していた。あなたには毎日決まってやることってあるでしょ?定着することができたら、逆にそれなしでは気が済まなくなってしまうようになる(学習の定着が進むことにつながる)。ルーティン化するには平均で66日必要らしい。66日というと2か月あまりだから、長いと感じる人も多いだろう。でも人生30000日くらいある。そう考えると、たった66日でその後の人生の“資産”ともいえる「よい習慣」を身につけられるのだとすると、けっこう”おいしい”話じゃないだろうか。そして、勉強は1日のうちで「寝る1時間前までの時間帯」にやるのがいいらしい。それはその後すぐ睡眠し脳の中が整理されるので、学んだことがより定着しやすいからという根拠から。このブログでも「朝活はいいぞ」ということを言っていたが、朝の脳はウォーミングアップし始めている時で、脳の中を整理するための睡眠までの時間が“遠い”という観点からも、学習を定着させるには向いていないということになる(朝活自体を否定しているのではない)。ただし!夕飯をたくさん食べて眠くなっている頭というと、それはそれで働きが悪いので、まず体のコンディションを正常な状態として維持しておく必要はあるよね。

 テストについても言っていた。学校ってテストをする。この「テスト学習法」という方法は学びを身につけるために一番効果的な方法らしい。私が最近よく言っている「けテぶれ」もそうだ。やっぱり脳科学的にいいみたい。テストという“アウトプット”がいかに大切な活動かということだ。そして“間違える”という活動もとても大切らしい。だから家庭学習でテスト(っぽいこと)をして間違いを見つけ、それを納得するまでやるという学習が、学習を身につけるうえで本当に最速の方法のようだ。授業中って挙手をして自分の考えを言う活動ってあるよね。この理論でいうと、『手を挙げて発言し(アウトプット)、間違ってしまうこと』というのが、実は超スーパー最適な学習方法と言える。だから、挙手をして”正解”しちゃったら悔しがるくらいじゃないと(^^)倍速で成長したいって思える人は、明日からの授業の受け方が変わってきそうだねっ(笑)

 表情を明るくすること姿勢をよくすることがめちゃめちゃ重要とも言っていた。さらに、「作業興奮」という言葉には衝撃を受けた。何か作業をするから、ワクワクする感情が生まれるんだってさ。つまり『やり始めない限り、やる気は生まれない』だそう。学習が定着している人は、勉強時間になれば淡々と学び始める「やる気というものなんて存在しない。ただ単に“できない人の言い逃れ”に過ぎない」という。
 とにかくまず行動にうつすこと。朝サッと起きたいなら体を起こせ。すると脳は起きるんだから。勉強も淡々とするんだ。するとそのうちに”やる気”が生まれてくるんだから。

 最後にChatGPT(AI)についても言及していた。ちょっと恐ろしい話だった。

 大学では論文(研究したことをまとめたもの)を書くときに、池谷さんは「ChatGPT(AI)を使ったらいいぞ」と学生たちに言っているらしい。「え?AIにやらせたらめっちゃ楽じゃん」という反応が学生からあるらしい。でもそうじゃない。AIを使いこなすのは”当たり前”の時代になる。でもAIに全てを任せたらそれは論文としては人の力を借りている(盗んでいる)から0点(見る人が見たら分かる)。AIを駆使してなお且つ、それ以上の“自分らしさ”を出していく必要がこれからの学生たちには求められるということだ。これは、“自分らしさ”を常日頃から持っていなさいという警鐘(警告)だ。この恐ろしさ…伝わるかなぁ。めちゃめちゃ勉強していないとできないよ。君たちは”本当の実力者”になる必要があるということだ(それなりに成果を出したいならね)。

 すんげぇ奴なんて世の中いっぱいいるから。今でも倍速で突っ走っているわ、どこかで。そんな奴らと切磋琢磨して、あなたも素敵な未来の担い手の一人になってくれよ!

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