サスティナブルにねっ

学校

 前回予告していた通り、「VIP戦略」について。

 西野亮廣さんはお笑い芸人の後、絵本作家そして会社を立ち上げて映画の製作そしてオンラインサロンの運営など毎日多忙を極めている。絵本そして映画にもなった「えんとつ町のプぺル」。この作品はさらに派生し、スーパー歌舞伎として、市川團十郎さんが出演する作品となった。
 その時のこと。従来の歌舞伎よりも演出にこだわり、セットにもお金がかかったらしい。一番よい席が本来なら2万円そこそこらしいが、それよりも5千円ほど値段が高かったようだ。それに対してSNSでは「金が高すぎる!」「歌舞伎で金を稼ごうとするな!」という批判が数多く寄せられたらしい。しかし。実際にチケットの売れ行きは?というと…、まずその値段の高い席は、あっという間に完売したようだ。つまり、文句を言う人というのは、もともといい席でチケットを買う人ではなく、ただただ外野から言いたいことを言うだけの人なのだ。もちろん”有名になる”ということは、少なからず批判を浴びるものかもしれないが、自分にとって全く関係ないことをごちゃごちゃ言って、時には人を深く傷つけるのは“健全な生き方”ではない。しかも、西野さんの考えるVIP戦略も知らずに。

 西野さんがチケットの値段を上げたのには、いくつかの理由がある。先に述べた製作費がかさんでしまったことも理由だ。でも一番は”VIP席の値段を高くすることの意味をちゃんともっているから”だ。

 世の中にあるVIP席というのは、正直値段が(とても)高い。西野さんは旅客機で分かりやすく説明してくれた。飛行機の座席には大きく4つ「エコノミー」「プレミアムエコノミー」「ビジネス」「ファースト」がある。もし仮に客席をすべて「エコノミー」にしたら、席数は増えるが、一席当たりの値段は東京-ニューヨークの往復便で10万円以上値上がりする計算になるらしい。つまり、ビジネスクラスやファーストクラスという存在があることによって、エコノミークラスは値段を抑えられるのだ。ビジネス、ファーストのお客様に「安く乗らせてもらっている」とも言えるのだ(これから乗る前に一礼でもしようかしら…♪)。

 西野さんはこの仕組みを利用して、富裕層にはしっかりお金を払ってもらい、その分グレードの低い席の値段をとことん下げるように計らっている。子どものいる家族でも入りやすいように値段を設計している。もちろん西野さんはボランティアではないから、そこにはちゃ~んと”ワケ”がある。西野さんはその人の“初めて”を取りに行きたいと言っていた。値段を安くしたり、場合によっては無料にしたりすることで、「初めて歌舞伎を見に行ったのは、西野さんの作品だった」という客をつくりたいと言っていた。そうして、若年層のファンを勝ち取ることで、こらからも長年ファンでい続けてくれる可能性を秘めた人を生み出すのだ。今回のブログのタイトル“サスティナブル(持続可能)”なシステムを作り出していると言える。

 この考え方はとても理にかなっている。何より、WIN-WINの関係(双方に利益がある状態)であることが持続可能にしていると言える。高いチケットも富裕層からすると、”あっという間に売れてしまうくらいの値段”なのだ。高いお金を払うことで快適な空間や時間を得て、そこに十分な満足があるのだ。エコノミーに乗る人は、狭いけど目的は「行き先へたどり着くこと」だし、払えるお金にも限りがあるわけで、そこを選択しているのだから、エコノミーに乗る人にとってもWINである。経営者側も他者の利益のみならず、当然自分もしっかりと利益を得られなけらばならない。それができていればWINである。

 あなたが学校生活を、快適かつ持続可能なものにしたいとしよう。そのためには、周りの人にとってもそれなりに利益があり(利益と言うと大げさだが、利益があるに越したことはないわけで)、そして自分自身にも“利益”がちゃんとあるようなシステム設計ができるとよい。学校生活はあくまで共同生活だから“独りよがり”や“自分たちだけ”というシステムだと、必ず終わり(破綻)を迎えてしまう。

 経営の哲学にもこんな言葉がある。「三方よし」だ。「商売において、売り手と買い手が満足することは当然のことで、さらにその商売が社会に貢献できてこそ本物の商売と言える」という考え方だ。よくある「わがまま」や「自分勝手」というのは、長い目で見れば“自分にとってすら、よくない”状態だ。だから、ぜひ、相手、周り、そして自分も大切に、快適でサスティナブルな生活というものを考えて過ごしてほしい。継続する大切さこそ、西野さんが著書『夢と金』の冒頭で言われた「金が尽きると、夢が終わる」という言葉に行き着くのだろう。

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