朝、目が覚める。
温かい布団の中にいる。
寝ている間に命の危険を感じることもない。
布団の中から周りを見渡すと、静かな部屋に自分がいる。
寒い冬でも室内にいれば関係ない。
強い風の音は時折聞こえるけど、それも関係ない。
そもそも風の音は小さいけど、わたし今日もちゃんと聞こえてる。
そういえば、目がちゃんと見えていて、触らなくてもそこに何があるのか確認することができる。
起きようかな、まだ寝ようかな。
そう考える頭があるからこそ、考えられ、決められる。
起きようと思って立つ。
健康な両足があるからできることだ。
部屋の扉を開ける。
自由な手があるからだ。
「おはよう」、「おはよう」。
朝起きたらとりあえずトイレに。
便座が温かい。
ボタン一つで自動的に流してくれる。
顔を洗おう。
少し時間がかかるが、自分の好みの水温で手や顔を洗える。
きれいな水だから、口にふくんでうがいもできる。
もちろん飲むこともできる。
リビングに行くと、ボタン一つで暖房器具のスイッチをつけられる。
もうつけてもらっているのだけど。
朝は食パン?ごはん?何を食べようか選べる。食パンだけど。
あっ、部屋が温まってきた。
牛乳でも飲もうかと冷蔵庫を開ける。
いつも決められた温度で保存してくれている。
牛乳パックを見ると、賞味期限が書いてある。
普通に保存していたら、その期限内でお腹をこわすことはまずない。
体への安全が約束されている。
どの食料でもそれが約束されている。
テレビをつけると、キャスターが情報を分かりやすく伝えてくれている。しかもタダで。
なんでタダなんだろう?そうだ、スポンサーがお金を払ってくれているからだ。
テレビもボタン1つでつくし、いきなり壊れることもそうそうない。
映像も肉眼で見るのと同じくらいに鮮やか。
食パンが焼けた。温かい。焼き具合もちょうどいい。
3分にすると私が好きな焼き色になる。毎回。
いいにおいによだれが出る。反射ってやつ。
久しぶりによく噛んでみると、パンそのものの味が感じられる。
出かける準備しよ。
水筒にお茶を入れる。
お茶も冷蔵庫の中で保存されている。
たまにはちがうものを飲みたい気もするけど、“いつも同じ”って普通ではないことかも。
寒くないようにジャンパーを着る。
次に靴をはく。
わたしの好きな色の靴。
靴ってよく考えたらめちゃめちゃ大事。ないとやばい。
「行ってきます」、「行ってらっしゃい」。
なんとなくだけど…
なんかいい1日になりそうな気がする。



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