児童会(生徒会)役員選挙

学校

 ほとんどの学校で年に2回(前期と後期)行われる児童会(生徒会)役員選挙。自分たちの学校生活をよりよくするために中心となって活動してくれる役員を投票する(小学校であれば4年生以上などのきまりがある学校が多い)。世の中にある選挙や民主主義、間接民主制を体験できる活動でもある。みんなの学校は、どんな選挙が展開されているだろうか。また、みんなの民主主義は保障されているだろうか。

 そもそも民主主義とは、「自分たちのことは自分たちが決める」という考えのことだ。「当たり前じゃん」と思う人には、ぜひ歴史を学んでほしい。人類がこの民主主義を勝ち取ったのはごく最近で、それまでには一部の人(王様や貴族)が権力を握って、勝手に物事を決めて民衆に押し付けていた。日本人の普通選挙(ある年齢に達した人すべてに投票する権利が与えられている選挙)は1945年からだ。それまでは(と言っても大昔はそもそも選挙自体ないが)一部の人にしか投票権がなかった(特に女性は虐げられていた)。

 話を戻そう。選挙では、立候補者が公約(マニフェスト)を掲げる。「もし自分が当選したら……をします!」という約束だ。小学校の先生をしていた時、とても面白い公約があった。選挙公報に「全校のみんなでおにごっこをしようと考えています」という内容だった。テレビ番組でも『逃走中』といった、広い範囲を使った鬼ごっこをやっているから、そこから発想を得たのだろうか。非常に面白くなりそうだなぁと思っていた矢先、その公約を見た、その立候補した子の学年の先生が「〇〇さんは何を言っているんだ。できるわけないじゃん」と言っていた。

 …うん。確かにその子の意図は私も分からない。本当に思いつきで言っただけなのであれば、実現するのは難しいかもしれない。自由参加にせよ、全校児童でやる場合、何百人が参加したとしたら、活動範囲やみんなが楽しめるルールなど、予測される問題点をしっかり話し合わなければならない。ルールがガチガチすぎると、せっかくの面白いアイデアも魅力が減ってしまう。選挙で当選するために、できもしないことを言って票を集めようとするのは、大人の世界でもよくない。投票者・民主主義への裏切りになってしまう。

 でも、こんなスケールの大きなアイデア・イベントがある学校って素敵な気がする。でっかいことをやる人って、基本周りから「何言っているんだ」「そんなのできないでしょ」って叩かれる。世の中そういうものだ。そんな言葉はむしろ“勲章”なのだ。さて、この「全校鬼ごっこ」を掲げる公約を考えてみた。

 みなさん、今回児童会役員選挙に立候補した〇年〇組のGOCHIです。もし僕が当選したら、必ず「全校鬼ごっこ」をやりたいと思います。毎月1回、第3水曜日の大放課にやろうと考えています。今具体的に考えているのは、活動範囲を運動場の土のある場所だけにして、ケガをしないように遊具には近づかないことにしようと考えています。第1回目は、テレビでもやっている『逃走中』のように児童会のメンバーがハンターになってみなさんを追いかけます。捕まった人はハンターに生まれ変わるか、牢屋に入るかは今考え中です。4月からできるように全力で準備します。力を合わせて学校をもっともっと楽しくしましょう!そのために、〇年〇組GOCHIに、みなさんの大切な1票をよろしくお願いします。

【この公約のポイント】
 ・全校のみんなに“ワクワク感”を伝えること
 ・現実的にできることを伝えるために、計画性/具体性を伝えること
 ・任期が半年あるので、任期中継続することを約束し、“楽しさが続くこと”を伝えること

 学校の先生の中には、先に述べたように「そんなの無理でしょ」などと言って、“やりたいこと”を阻止してくる人もいるかもしれない。大人が常識という”固定観念”で子どもたちを縛ってしまうのはよくある話だ。でもそんな力に屈してはいけない。“前例がないことは全員がその結果を知らない”のだ。だから、自分たちのやりたいことをどんどん話し合って、やってみたらいいと思う。

 もちろん、これを読んでくれている人は“立候補する側”ではなくて“投票する側”である人の方が多いと思う。自分は「たった1票投票するだけ」だなんて思わないでほしい。投票は1票だけしかできないけれど、他にもやれることはたくさんある。アイデアを提供することもできるし、活動をするのはあなたたちなのだから、決定したことに協力するのも大切な活動だ。”一人の市民としての自覚”(シチズンシップ)を磨いていこう!!

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