私は小学校の先生をしていた時、子どもたちとの関わりの中でとても強く感じたことがあった。『子どもたちのモチベーション(やる気)は、どう維持するものなのだろうか』ということだ。
2019年、「GIGAスクール構想」の名の下に、一人一台のタブレットが導入され、学習は「個別最適化」に向けてスタートを切った。今、みんなの学校での学びは、個別最適化されているだろうか。個別最適化と言われると難しいのだが、言葉を置き換えると「一人一人が自分に合った学びをできているだろうか」ということだ。
2021年度。6年生を担任していた私は、”一部教科担任制”を導入していたこともあり、学年(3クラス)の理科を受け持つことになった。理科は1週間に3時間あるので、自分の担任クラス以外の2クラスにも授業を3時間ずつやっていたのだ。その年、私のテーマは「主体的な学び」と「個別化された学び」だった。
理科の授業では、4人1組のグループで進めることにした。個別とはいえ、中には一人で学ぶことがどうしてもできない子もいる。助け合いながら、教えてもらいながら授業を進めていくのだ。教える側にもメリットはある。“教える”というのは、自分の知識や思考を整理整頓するために非常に重要な活動だ。むしろ、教えてもらう側よりも教える側にこそ『得』があるように思う。
それまでの理科の授業の時は、「はい、では試験管を取りに来てください」とか「教科書の〇ページを読みましょう」などと一斉に授業を進めていたが、そのような活動を一切やめた。先生が前に立って子どもたちを導くのではなく、グループで教科書を読み、自分たちで必要な実験器具を準備させた。もちろん、火や薬品を使う授業もあるから、そういった時だけは事前に注意点を伝えたり、全体で一緒に活動したりしていた。
一斉授業ではなく、グループ単位で活動をしていくと、断然授業の進みが早くなる。どのグループも、自分たちのペースで進めていくから、一斉授業における「待ち時間」がないのだ。小学校低学年くらいだと一斉にやることも大切だし、グループになって自分たちで進めていくというのは、さすがに難しい。学年によってその”自由度”は変わっていけばいいと思う。先生は、高学年の授業を受け持つのであれば、子どもたちに学びの主導権を渡し、子どもたちが主体的に進められるようにするべきだ。
先生の仕事は、「4月の初めにノートの使い方も含めた授業の進め方を伝えること」「実験器具などの環境面を整えること」「困っている子や質問してきた子のサポートをすること」そんなものだ。とにかく環境面を整え、子どもたちができるだけ自由に活動できるようにするのが、これからの先生の役割だろう。
小6の理科に「水溶液」という単元がある(使う教科書によって、地域によって違うかもしれないが)。私たちの地区ではこの水溶液の単元を13時間で学ぶことになっていた。最後にテストを行うので、実質12時間。ただ、グループ学習で個別化された授業が確立すると、10時間もあれば十分終えられる。一斉授業の負の産物「待ち時間」が無くなるのだから。当時、こんな感じで授業を進め、それぞれの単元で余る2時間を使って『雑学発表会』を行っていた(その単元にまつわる雑学を自分で調べ発表するもの)。この雑学発表会は任意、つまりやりたい子だけどうぞ!という感じでスタートしたのだが、やる子がどんどん増えていき、2学期の途中には全員が発表をやっていた。しかも、プレゼン資料を作ったり、実験セットを用意したりして、みんなが大好きな雑学発表会になった。水溶液の単元では、酸性とアルカリ性について調べ、洗剤がどうして汚れを取るのか電子黒板で自作のプレゼン資料を基に説明していた子もいた。
みんなの理科の授業はどんな感じ?もっと個別最適化されて充実しているのなら、ぜひ教えてほしい♪
今回は少し回りくどい話になったけど、“ゴールがモチベーションを左右させる”ということを伝えたい。やはり目指すものはある方がいい。理科の授業について特化した内容だったが、きっと汎用性(他にも応用できる性質)が高い話だったと思う。授業とは自由度が高く、みんながイニシアチブ(主導権)をとって然るべきるものだ。
今自分がしている活動を分解・分析してみて。どうだろう、ちゃんとゴールはあるかな?目指しているものはあるかな?一度立ち止まって、疑問をもって、考えて、自分の足跡を見つめ直すいい機会になるといいなぁ☆



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