フィンランドから生き方を学ぶ

生き方

 みんなの学校には宿題はあるだろうか?小学生なら漢字ドリルや計算ドリル、音読などの宿題がある方が一般的いっぱんてきなのだろう。リコーダーや自主学習ノートを出している学校もある。習い事や部活動などがあると、帰宅してからの時間もやることが多くて大変だという人が大多数ではないだろうか。

 最近、北欧ほくおうの国「フィンランド」について書いている本を読んだ。ヨーロッパの北部、スカンジナビア半島の東側に位置し、東はロシアと接している。面積は日本より少し小さく、人口は約550万人ほどだ。幸福度ランキングでは常に上位にある北欧の国々の中にあり、税金が高いがその代わり福祉国家ふくしこっかとしての環境かんきょうが整えられている、そんな印象の国『フィンランド』。

 本を読んでみるとフィンランドという国を表す言葉がいくつか出てくる。「ゆとり」「メリハリ」「しばられない」などだ。

 フィンランドの人々はとてもゆったりと生活をしている。朝の8時から仕事を始めると、4時には終えて遅くとも5時には帰宅する。帰宅後は家族とゆったり散歩をして過ごしたり、自分の趣味の時間に使ったりする。朝早くから夜遅くまで働いて、平日は「仕事」と「寝る」だけという日本によくある働き方とはかなりちがう。もちろん日本の働き方も徐々に良くなっているのだが、まだまだ労働・残業時間の問題は解決されていない。

 フィンランドの学校の夏休みは2か月以上あるらしい。そしてその間の宿題は「なし」。まさに自由だ。仕事をしている大人たちも夏休みに有給休暇ゆうきゅうきゅうかをしっかりとり、その有給休暇消化率も100%である(簡単に言うと“労働者がもつ休む権利をちゃんと使えている”ということ)。働く時は働き、休む時は休む。とても素晴らしくメリハリがある。だからこそ、「仕事」や「学校」というものに対してあまり“きつい”“大変なもの”というイメージも多くないようだ。もちろん、「自由」には「責任」がつきものである。この資本主義という競争の世の中で生き残っていくためには、結果を残す必要がある。だから、“やる時にしっかりやる”ということが大切だ。自分がしたことは自分で責任をとらないとね。でも、それが成り立っているということは、国民一人一人がそれを”自覚”しているということだ。日本にはそういった文化が足りないし、これからの未来、そんな生き方を目指していく必要があるだろう。

 フィンランドは日本と違って、「働くこと」に対してとても合理的と言える。まだ働いていないみんなだからこそ、日本の仕事や会社の慣習を聞いたら「非合理的だ!」と感じるのではないだろうか。例えば、日本は一般的に大学を出た後に就職をする。これはフィンランドも同じだが、本当にその人がその仕事に向いているのか分からないのに、面接やテストなどを基に、会社が採用する人材を”短時間で”決めていることが多い。フィンランドも含めて欧米では学生のうちに「インターンシップ」といって職場体験(と言ってもがっつり働くのだが)を夏休みなどの長期休暇を利用して行う。そこで学生も、会社も”仕事のマッチング”を行っているのだ。会社に入ってみたものの「全然思ってたのとちがう!」なんてことを無くすために、とてもよい制度だと思う。もちろん、日本にもこれを取り入れている会社は増えているのだが、まだまだ新卒一括大量採用(大学を卒業したばかりの人を4月から一斉に会社が採用すること)が主流だ。転職についても同じで、日本は“仕事ができるか未知数の学生”を選ぶことの方が、インターンシップを経たり、過去に別の会社で実績のある“仕事ができることがある程度約束された人”を選ぶことよりも重視されている。フィンランドでは、同じ会社で生涯しょうがいずっと働く人もいるが、例えば女性が出産・育児をするために会社を辞めて、育児中に新しい分野に興味を持ち、大学(無料または少額で行ける)に通い直して、違う会社に再就職をするということが、ごく当たり前なのである。日本は自分が選んだ道が「ちがうな」と思った時に、やり直しにくい環境だと言える。もちろん、これからどんどん良くなっていくはずではあるが、一つこの現状を知っておくのは大切なことだと思う。

 さて、話を今の生活に戻したい。みんなの生活は「ゆとり」「メリハリ」「しばられない」という言葉が当てはまるだろうか。どれだけ優秀な人でも、“他の人よりは”ゆとりがあるだけで、自分の生き方を俯瞰ふかんして見た時にそれほど余裕のある生活をしていないのかもしれない。「何かを取り入れる」ということは、「何かを捨てる」ことも考える必要がある。そこのバランスが難しいのだが、自分の生き方を見直したり、変えたりするというのは、自分だけで考えるのではなく、人からのアイデアに耳を傾けたり、こうしてフィンランドくらい遠くの国から学んだりするくらいの方がよいのかもしれない。とても刺激的で面白い本の世界だった♪

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