日本人が古くから持っている気質の一つに“我慢強さ”がある。中学生なら部活動やテスト勉強、働くようになってからは仕事に対してと、さまざまな場面で出てくる言葉だ。2000年代以降、この「我慢強さ」や「忍耐力」という日本人が美徳としてもっている価値観に対して、疑問を投げかけることが多くなってきた。
例えば、小学生や中学生は「学校」に対して“頑張る場所”という認識が昔よりも減っているように感じる。今の時代「頑張らなくていいよ」「無理はしちゃだめだよ」という言葉が世の中に溢れている。確かに無理はしてはいけないし、このブログでもよく“自分のペースで”と言っている。人生はフルマラソンのようなものだから、少しの区間を短距離走のように急ぎ過ぎたら、その後のエネルギーが切れて歩いてしまったり、動けなくなってしまったりして、ゴールにたどり着けない。ただ、マラソンというのはあくまで例えであって、人生というものは、その日を一生懸命頑張ったからといって、しっかり睡眠時間を取ったら体力的にそれなりに回復もするし、頑張ったからこそ達成感や充実感が生まれて精神的な疲労が蓄積しないということもある。
私はこの「頑張らなくていいよ」「無理はしちゃだめだよ」という言葉に一部疑問をもっている。
ここで一つ質問をしたい。「あなたは今、何を大切にしているだろうか?」例えば、中学校3年生の今の時期なら、自分の目指す進学先へ向けて日々努力をしていると思う。そんな人に先ほどの質問をしたら、「私は今、自分の人生のターニングポイントを迎え、自分の行きたいと思っている進路をつかむために勉強を頑張ることを大切にしています。」と答える人も多くいるだろう。そんな子に「頑張らなくていいよ」「無理はしちゃだめだよ」と言ったところで、その言葉は特に意味をもたない。「よけいなお世話です!」「何言っているの?」という言葉すら返ってきそうだ。自分にとって“頑張る必要があるか”、“やる意味をもっているか”ということがとても大切になってくるのだと思う。自分にとって必要であると感じて、やる価値があると思っているのなら、当然頑張るべきなんだよ。
「心が疲れる」というのは、自分自身が“やる意味を感じずにただただ時間が過ぎている時”にそう思うんだろうね。“やる意味を考える”、“価値づけをする”ってとても重要な活動だと思う。
逆に、すべての活動に“やる意味”を見出す必要もないのだと思う。時間は限られているのだから、何でも頑張れるほどの時間はこの世には存在しない。そこは“バランス力”つまり「どのようにいい具合に折り合いをつけるか考えたり感じたりする力」なんだけど、それは今日の話と少しズレるからやめておく。私はこの“やる意味がないこと”ここをちゃんと考えることにこそ、日本が文化として古くからもっている“余計な美徳”から脱却するヒントがあるのだと思う。
私の大好きなキングコングの西野亮廣さんがよく言葉にする「システムエラー」。そもそもシステムが問題であることって世の中にたくさんあるよね。例えば、個の時代と言われている現代において、いつまでもみんなが同じスタイルで同じことを勉強するというのは無理がある。だから、「それはちがうよ!」という声が上がって、タブレットとかも入って、徐々に学校での学習のスタイルも変わりつつある。もちろん、まだまだなんだろうけど、変化が始まっている。システムエラーに対するシステムの改善だね。過去の日本の文化では、「“とりあえず”我慢しろ!」という風潮があった。この“とりあえず”というのが“考えること”を妨げていた。おかしいなっていうこと、不便だなって感じることに声を上げることは、本当に重要だ。私は教員をやっていたので、先生たちの働き方が未だにブラックだと感じていた。そもそも人が全然足りてない(完璧なシステムエラー)。やらなきゃいけない仕事量に対しての人員配置に無理がある。学校って教科の勉強以外にも、中学校なら将来を考えるキャリア教育があるし、コンピュータについてももっと専門的な先生がいてもいいよね。世の中にはそれを上手く教えられる人がたくさんいるのに、ぜーんぶ“今いる先生たち”で何とかしようとしている。無理だよ~って言っても聞いてもらえない。学校が本当の意味での学びの場になっていない理由の一つだ。
さて、みんなは自分の人生に置き換えてみてほしい。すぐに「無理だよ」と言うのはちがうかな。それは自分の可能性を狭めてしまうかもしれないから。しっかり考えて、時には人の意見や本、新聞やニュースなどで自分の意見を深めてみて、それでも「これは自分にとって無理だ」「必要性を感じない」と思ったら、それはちゃんと声に出せばいい。そこの忍耐力は必要ない。頑張るところ、無理だと言うところ、そこを見分けてあなたの人生をより豊かにしてほしい。自分にとって大切なもの…夢?趣味の時間?家族?笑顔?楽しむこと?さぁ考えて考えて♪



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